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『…我を呼び覚ますのは誰だ』
ネロの魔力によって強制的に眠りから醒めた魂の書の声は少し不機嫌そうだった。
『昼寝の邪魔して悪いが。二、三聞きたい事があってな』
クルクルと回転しながらダンテの周りを一周する魂の書。
『ダンテか…』
ネロは立ち上がり、砂埃にまみれた服をぱっぱと掃った。
ダンテは長椅子に腰掛け、スパーダの像を見上げている。
キリエが心配そうにネロのコートの袖をギュッと握った。そんなキリエに微笑みかけながらも、ネロ自身、言いようのない不安に右手を握りしめる。
俺の体調不良とダンテが聞きたがっている事は、無関係じゃなさそうだ…
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