chapter.Ⅴ

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眩しくて右手を顔の前に翳すネロ。 光が消えた後そこにフォーナの姿はなかった… 『?!…消えたのか?』 ふと、足元に視線を落とすと猫が一匹座っている。 青みがかった灰色の毛は何とも言えず上品で、怯える様子もなく堂々とネロを見上げていた。 『…』 突然、姿を消したフォーナ。そして突然現れた猫。ネロは訳が分からず呆然と立ち尽くすしかなかった。 『私は此処よ』 フォーナの声が聞こえる。 ごく近くで話しているように感じるが、声の主が見当たらず辺りを見回す。 だが、ネロの視界にフォーナの姿はない。
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