chapter.Ⅵ

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『これはダンテの夢なんだよな?』 『えぇ』 真っ暗になった回廊の中、ネロは一つだけ明かりの射す窓を見遣る。 その前に佇む一人の男… 鏡を見つめるその横顔を知らない訳がない。 『この夢は、私が契約者を見つけた時と全く同じ夢よ』 『この後、彼は鏡に向かってこう言うの "返してくれ" と』 フォーナはネロの耳元で静かに話す。 足が竦んだ。 ダンテの元に歩み寄り、真実の鏡に映し出されている何かを確かめる事が怖かった。 確かめる必要はないのかもしれない… 多分、否…確実に鏡が映し出しているのはバージルだろう。
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