45人が本棚に入れています
本棚に追加
すぐ側まで近付くと、窓から射す明かりでダンテの表情がよく見える。
もう既に視界の隅に入っている真実の鏡。その中に映し出されている人物を確かめようとしたネロだが、横に動かそうとしていた顔が止まる。
ダンテと目が合ったからだ。
『?!…俺達が見えてるのか?』
フォーナに視線を向けるネロ。
『いいえ、彼が見ているのは…』
言葉を濁したフォーナの気持ちを察したのかネロは慌てて振り向いた。
ダンテが見ていたのはネロの後ろに立っている男だったのだ。
瞳が月明かりに慣れてしまったせいか、薄暗い回廊に立つ男の顔がよく見えない。
オールバックの髪、暗闇の中で妖しく輝くモノクル…
ネロの知らない男は微笑んでいた。
最初のコメントを投稿しよう!