chapter.Ⅶ

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ダンテが鍵穴に賢者の石を差し込む。 俯き目を閉じたままのネロは最期の抵抗と言わんばかりに叫んだ。 『その扉を開くってことは、俺を殺すってことだろ?!』 だが返答はない。 『その扉の向こうにはあんたの望んだ未来があって、あいつが待ってて…それで…俺は 犠牲として消えるのか? はっ、ははは… そんなに大事か?!この世界よりも あいつが…』 自分勝手な事を言っているのは分かっている。ダンテに付いて来たのは自分の判断で、体調不良を自力で治せなかったからだ。 それでも辛かった。 やっと認めてもらえた気がしたのに結局ダンテが心底欲しいのはネロではなくバージルだと思うと、どうしようもない気持ちになった。
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