134人が本棚に入れています
本棚に追加
その日私はかなりの量のお酒を飲んでいた。
静香を介抱するどころか自分の足元すら怪しい状態…。
それでもそれを気付かれないように必死だった。
ふらつく足を意識しながらトイレに立ち、ついでに静香のウーロン茶と、自分用の軽いお酒を頼もうとした時…カウンターに居た彼と出会った。
彼は、注文をする間じっと私の顔を見た。あまりに見つめられるものだから、顔に何か付いてるのかと思うくらいに。
「えっと…?」
「あ、ウーロンとレモンソーダね?」
「レモン…?」
「もう、飲まない方が良いよ。結構きてるでしょ?お酒に見える様に作ってあげるから」
それが初めて交わした言葉だった。
最初のコメントを投稿しよう!