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約束通り、次の週に私は静香を連れてその店に行った。 ソーダも美味しかったし、何より彼と話してみたかったから。 私と静香が店の入り口から顔を覗かせると、彼はカウンターから出てきて迎えてくれた。 …彼は特別格好良い訳では無い。 大人が一人で立ち寄る…と言うショットバーの店員にしては体育系のノリだったし、実際他の店員と比べると子供の様に無邪気で…うるさい人だった。 けれど「打てば響く」と言った感じで、彼の会話は面白く。私達はすぐに仲良くなった。 そのうち私は一人でもその店に通う様になり、その店の最年少の常連となった。 …私はもの凄い勢いで彼を好きになって行った。 何が良いとか、どこが好きとか…まったく自覚もないまま。 ただ会えない時間の彼を思って…。 恋しく思った…。
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