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その店は“ラピス”と言う名前だった。 薄暗い店内の壁一面には、ミニボトルがところ狭しと並べられ。カウンター席とボックス席が3つ。 20人も入れば満席になる様な店の入り口には、飾り物の蓄音機が無造作に置かれていた。 「華絵ぇ、私…何だか酔っちゃったみたい…」 私の隣には、そう言って寄りかかってくる静香。 そして向かいには数時間前まで初対面だった男が二人居る。 要するにコンパの二次会の最中。 「え?大丈夫?」 私は慌てて顔を真っ赤にした静香の肩を抱いた。
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