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今まで幽霊なんて見たこと無かった。
だから信じてないし、これは夢なんだと思う。
もしくは誰かが仕掛けた、ドッキリ…
「だーかーらー、ドッキリじゃないって言ってんじゃん!!」
目の前の男はそう言うけど。
「じゃ、何で物に触れるの?」
「…さぁ?」
「じゃー、何で透けていないの?」
「知らないって、」
「脚だって、あるし…」
「…………。」
幽霊っぽさゼロなんだもん…
「とにかく。それらしく見えなくても、俺はお前以外の奴には見えないんだってば…」
二宮くんは困った様な顔をして、ため息を吐く。
「信じてよ…」
上目使いで、私を見つめる。
子犬みたいだな…
「わ…分かったけどさ。私何も出来ないよ?」
「え、何で?祈祷師なんでしょ?」
「いや…今日初めてこの仕事に就いたし。しかも助手」
私がエヘヘ、と笑えば。
「…………。」
二宮くんは絶望的な顔をして固まった。
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