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「…あっ!じゃ、祇阿羅先生に会ってみる?」
「誰それ…」
肩を落としてしゃがみ込む二宮くんに、
「本物の祈祷師だよ!先生ならきっと何とかしてくれるハズ!!」
私は努めて明るく言った。
「………ホントに?」
「う………ん。」
ホントは…
本物じゃないっぽいけど。
「何…今の、間」
怪しむような視線が痛くて、
「気のせいだよ。」
私は目を閉じて笑った。
「今、先生を奥から呼んで来るから。そのまま待ってて?」
「………早くしてよ?」
まだ疑ったままの二宮くんを、待合室に残して。
「…まー、何とかなるでしょ。」
私は祈祷室の奥にある、先生の自室に向った。
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