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「先生、起きて下さい!!大変なことになりましたっ」
奥の自室を開けて、私は叫ぶ。
すると先生はベッドに寝ていて。
「あぁ…?」
私を見ると不機嫌そうな顔で、アイマスクをゆっくりと取った。
「先生っ!私、幽霊が見えるんです!!」
「…うん、そうだね」
「しかも、それがアイドルの幽霊なんです」
「………その客、どういう要望なの?」
あ、何か通じてないな…
そっか先生は、私が仕事の話をしてると思ってんだ。
「いや、そうじゃなくてですね…待合室に、アイドルの幽霊が居るんです。それが私には見えちゃってて」
「そんで?」
「彼、他の誰にも見えないみたいで。困ってるんですよ、どうしたら生き返えれるのかって」
「…………。」
あ、今度は思い切り引いてる…
どうしたら良いんだろ。
「アンタ本気で言ってんの?」
「本気ですよ…あ、そうだ。こっち来て見てもらえば、全部分かりますから!」
私は無理やり先生を起こして、
「ちょ、何なのよ~っ」
待合室に引きずって行った。
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