1月9日

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「………えっ?」 先生の言葉に驚く私。 「ちょっと……」 そして困った顔の二宮くん。 「あ…忘れてた、」 そう言って、先生は祈祷室に入ると 「これ…今日の分。明日は定休日だから、また明後日来て頂戴」 お財布から紙幣5枚を取り出して、私に握らせる。 「あ…ありがとうございまーす」 久々の大金を持って顔が綻ぶ私に 「ちょっと!どうなってんの!?」 二宮くんが私の手を掴んだ。 「あ…ああ…ちょっ、先生。待って下さい」 それに慌てて、部屋に戻ろうとした先生を止める。 「何よ、足んないって言うの?」 「じゃなくて。先生は、見えないんですか!?」 すると先生は、周りを見渡して。 「あら、分かってると思ってたんだけど…」 「え?」 「私、まーったく霊感ないから」 ニコッと微笑んだ。
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