1月10日

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部屋着の上にコートを着て、外に連れ出された。 「せめて顔だけでも洗わせて欲しかった…」 私はそう言いながら、電車の窓に映る顔を見る。 「おい…」 「何?」 「おいって、」 振り返ると、二宮くんが睨んでた。 「何だよう」 私も負けじと睨み返すと。 「何だよう、じゃないでしょ。アンタね、他の人には俺の姿見えないんだよ?分かってんの?」 そう言われて、辺りを見回すと。 「…………」 みーんな私のこと、完全にオカシイ人って思ったような目で見てる。 「………えへへ」 笑って誤魔化すと、 「余計にオカシイと思われんだろーが…」 二宮くんはガクッと肩を落とした。
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