1月11日

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「通告書、見てもらえたかしら?」 大家さんのおばちゃんが、私をジッと見る。 「あ…、はい…」 苦笑いして、頭を掻くと。 「あれね、日付。今日までなの…なんで、そろそろ出てってもらえないかしらね?」 「えっ…でも、あの…」 「家具はちゃんと処分してね。じゃ、宜しく」 「ちょちょちょちょ、ちょっと待って!!」 冷たい笑みを浮かべる大家さんに縋り付く私。 「何よっ…離しなさいってば、もう待てませんからね!」 だけどそんな私を迷惑そうに突き離す。 「そこを何とか、お願いします!!」 それでもまた抱きつく私を 「無理だって言ってんの!溜まってる4ヶ月分の家賃を請求しないだけ有難いと思いなさいっ…ったあ!」 背負って床に投げ叩き付けて。 「ぐわっ…」 「決まった…山嵐!」 投げ技の名を満足そうに呟いて、去って行った。
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