29人が本棚に入れています
本棚に追加
「通告書、見てもらえたかしら?」
大家さんのおばちゃんが、私をジッと見る。
「あ…、はい…」
苦笑いして、頭を掻くと。
「あれね、日付。今日までなの…なんで、そろそろ出てってもらえないかしらね?」
「えっ…でも、あの…」
「家具はちゃんと処分してね。じゃ、宜しく」
「ちょちょちょちょ、ちょっと待って!!」
冷たい笑みを浮かべる大家さんに縋り付く私。
「何よっ…離しなさいってば、もう待てませんからね!」
だけどそんな私を迷惑そうに突き離す。
「そこを何とか、お願いします!!」
それでもまた抱きつく私を
「無理だって言ってんの!溜まってる4ヶ月分の家賃を請求しないだけ有難いと思いなさいっ…ったあ!」
背負って床に投げ叩き付けて。
「ぐわっ…」
「決まった…山嵐!」
投げ技の名を満足そうに呟いて、去って行った。
最初のコメントを投稿しよう!