29人が本棚に入れています
本棚に追加
/121ページ
何人もの人の悩みに見合った霊を憑依し、
「はあ…ちょっと休憩」
先生はちょっとお疲れ気味。
「どうします、次の方」
私は扉を少しだけ開けて、待合室に居る男の人を覗き見た。
「…アンタ変わって。私もう限界よー」
「は?」
驚く私に、先生は鶏帽子を脱いで。
「ずっと見てたから分かるでしょ?私の真似してれば良いから」
その帽子を私に渡した。
「え、ちょ…無理です!!出来ませんってば!!」
「大丈夫よ。やってくれたら、最後のお客さんの鑑定料まるまるアンタにあげるから」
戸惑う私に背を向け手を振って。
「ちょっ、どっちにしろコレは要らないです!」
「じゃ、頑張ってねぇ」
先生は奥にある自室に引っ込んでしまった。
最初のコメントを投稿しよう!