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とにかく、この変な帽子は被れない…
そっと帽子を机の下に置いて。
私は仕方なく、待合室の扉を開けた。
「…次の方、どーぞー」
そう言って、座っている男の人を見た。
「…………?」
あれ…
あの人、どっかで見たことあるような。
「俺…?」
するとその人は、私を見て驚いている。
「………他に誰も居ないんで。あなたです」
首を傾げながらそう言うと。
「マジで…?助かったー!!」
その人は私目掛けて走って来る。
「今までずっーと誰も相手にしてくれなくってさぁ…でも来て良かった、ここに」
そして私に抱き着くと、異様に喜び始めた。
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