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なんでだろ。手が止まっちゃう。
本当は終わった後、抱き締められた時に眠りにつくための子守唄として、一真の心音をゆっくり聞きたかった。
あれ?なんだろ。さっきから未練たらしい…。乙女ちっくなことばっかり浮かぶ。
それが恋心の断末魔だと、悲鳴だと、ここで止まりたいという思いから生じている声なのだということに気付かなかった。
…気付けなかった。 気付きたくなかった。
だって、気付いたら、これ以上出来なくなるから。
でも、どこまでも残酷な悪魔は僕を、いや、僕の欲望を後押ししてくれるらしい。
予想より早く、一真が目覚めることによって。
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