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「それにしても、唐突だね。僕は、君がナイフを持っていることなんて知らなかった。作者はよほど、僕を殺したかったとみえる」
きっと、手綱の扱いが下手くそなのだろう。収集のつかなくなった僕という登場人物を消すことで、物語の幕とするつもりなのかもしれない。
「……あまりにも粗末じゃないか」
僕は、なぜか無性に笑いたくなり、ナイフの刺さった腹を抱えて、大いに笑った。
これも、作者の意図する演出であると考えると、ちっとも可笑しくなんてないのだけれど、僕の笑いは止まらなかった。
いつまでも。
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