傀儡のシ小説。

6/6
前へ
/6ページ
次へ
  「それにしても、唐突だね。僕は、君がナイフを持っていることなんて知らなかった。作者はよほど、僕を殺したかったとみえる」  きっと、手綱の扱いが下手くそなのだろう。収集のつかなくなった僕という登場人物を消すことで、物語の幕とするつもりなのかもしれない。 「……あまりにも粗末じゃないか」  僕は、なぜか無性に笑いたくなり、ナイフの刺さった腹を抱えて、大いに笑った。  これも、作者の意図する演出であると考えると、ちっとも可笑しくなんてないのだけれど、僕の笑いは止まらなかった。  いつまでも。  
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

219人が本棚に入れています
本棚に追加