0章 奇襲

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今はアルマは笑っている。 それは、フォレスの息子と妹と共に遊んでいるからだ。 アルマと同じ4歳の息子コウ・ティスディアは軽い癖のある栗色の髪が特長の男の子。 2歳の娘レイ・ティスディアは腰まである綺麗なストレートが特長である、もちろん髪の色は栗色。 今は3人で遊んでおり、予想以上に打ち解けたらしく、笑い声は絶えない。 『この村で正解だったかな』 セツナはそんな事を考えていた。 ズンッ 「……何だ……何だ今のは?」 突如感知した膨大な魔力反応。 他の騎士達も気付いた。 何かが来る。 「チッ、ムイガとサネーハとナユは着いてこい。 フォレスは家族とアルマ様の近くで《結界》をはってろ!」 そして外に出て気付いた。空が明るい事に。 「何だ……アレは!?」 空には巨大な魔法陣が現われていた。 黒い光によって作り出されているソレは余りに巨大で村だけでなく、周囲の森の大部分を奪う事が出来る。 勘だが、恐らく間違っていない。それほど膨大な魔力を感じる。 だが、だが負ける訳にはいかない。 守ると誓ったのだ。 必ず、守ると。 「アレが何だかは解らん。 だがアルマ様のためにも防ぎきるぞ!」 「「「了解!!」」」 「《守護神の盾─ガーディアン・シールド》を使う」 その言葉で〈騎士〉達は三方に散った。 騎士達を結べば正三角形ができる 。 その中心に魔導騎士セツナはいる。 そして詠唱。 「今、我らの前に災厄あり。 我らの後ろには守るべきものあり。 守護神よ、我らに貴方の力を貸したまえ。 我らは、今、災厄に、立ち向かわん!!」 「《守護神の盾─ガーディアン・シールド》ッ!!」 《守護神の盾》は最上級魔法の1つ。 あらゆる災厄、災害を防いだ守護神の盾を魔力により造り上げる術。 村を包みこむほど巨大な盾が現れた。 盾は白く発光していて、既に村は明け方のような明るさになっていた。 盾にセツナは魔力を流し込み、騎士達もソレにならう。
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