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〈崖の上〉
「すごい……本当に〈魔導騎士〉を殺した」
ナウルは今目の前で起きた光景を理解しきれなかった。
発動した《奈落への導き》は余りに小さく《守護神の盾》は砕く事は出来ないと思っていた。
だが、《奈落への導き》は確かに《守護神の盾》を砕いた。
それだけでも信じられなかった。
《守護神の盾》はかつてカタームに襲撃したドラゴン達のブレスを防ぎきった逸話をもっているのだから。
だが、さらに驚くべきはその後だ。
地面に触れた瞬間に、貯えられていた魔力が爆発。
それと同時に、魔法陣に残っていた魔力を陣の外周から地面に放出して巨大な円柱が出来上がっていた。
恐らく、爆発は円柱のなかに封じ込められた全てを飲み込み、破壊しているだろう。
恐ろしい。
この一言に尽きる。
《奈落への導き──ギヌンガガプ》禁忌魔法なだけはある。
そうナウルは思っていた。
ソレが勘違いだと知るのはもうすぐだった。
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