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輝かしい朝。
多少、空気が冷えているのがまた心地よい。
朝食の準備は完璧、あとは───
「ん、兄さんを起こしますか」
キッチンにいる少女レイ・ルイスヴェルト・ティスディアは覚悟を決めるために呟いた。
兄であるコウ・ルイスヴェルト・ティスディアの魔法学園・高等部への入学式。
だからせめて……せめて、入学式だけでも遅刻しないようにしてあげたい。
それは妹である自分だから、一緒に住んでる自分にしかできない……戦いなのだ。
二階へと向かう足取りは重く、行きたくないという内心が如実に現われていた。
前はこちらまで巻き込まれた。
だけど……今日は負けない。
兄さんの部屋の前で深呼吸して、ノックをする。
「兄さん、入りますよ?」
兄さんの部屋は必要な物しかないため、かなり広く感じる。
その上、綺麗に整頓されているため、少し寂しいとも思うが、優しく香る兄さんの匂りが───
『落ち着いて、私!
兄さんを起こさないといけないんだから』
必死に目的を思い出す。
ハァ、部屋に入って一歩でコレ……勝てるかなぁ?いやいや私は負けない!うん、頑張ろう!
毎回思うが、兄さんの匂いはアロマなんかより数倍効果があると思う。
私はまた気を引き締めて、兄さんのベッドへ近づいていく。
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