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兄さんは気持ち良さそうに眠っていた。
兄さんは寝相が良い。
いつも腕を枕の下に入れて横向きに寝ている。
見ているこちらが幸せになれるほどに穏やかな表情で。
起こしづらい……それに起こしたらアレがくるし。
いや、今日は負けない!
いきます!!
ゆさゆさと揺らしながら
「兄さん、朝ですよ。今日は入学式なんですから早く起きて下さい」
「ん……あぁ、レイか」
ここからが勝負。
「兄さん、急がないと入学式に間に合いませんよ? 」
「何、寂しいの?」
「い、いや早くしな「解った、兄さんが一緒にねてあげるから」えッ、ちょちょっと待って!!」
揺らしていた腕を掴まれ布団の中へ。
「に、兄さん!?今日は入学式なんですよ!」
「そっか」
「『そっか』じゃなくて、早く起きましょうよ!」
……正直まずい。
「……あったかいなぁ」
「ッ────」
只今、私は兄さんに抱きしめられています。
顔が近いし、恥ずかしい。
兄さんの抱きしめは、呼吸を妨げない適度なものなので苦しくはありません。
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