0章 奇襲

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部隊全員で魔法陣を囲む。 「3秒数える。カウントが0になった瞬間に一気に流し込め」 ゲルムの言葉に皆うなずいた。 「カウントダウン」 「3」 「2」 「1」 「0!!」 各々が一気に魔法陣に魔力を流し込む。 「コレなら行ける!!」 ゲルムは笑った。 そして紡ぐ。それは破滅への序章。 「我ら神に裏切られし者。 我ら世界に疎まれし者。 故に神を呪い、故に世界に仇なす。 魔界の者よ、我らの叫び聞こえるならば力を。 安穏に暮らす、彼らに、世界に、今こそ、牙をむかん!!」 「《奈落への導き──ギヌンガガプ》!!」 詠唱が終わった。 魔法陣の中心に黒い光が浮かぶ。 それは一瞬で魔法陣を飲み込み、空に走った。 魔法陣はそこには無くなっていた。 「……何だったんですか、アレ?」 ナウルの呟きは静かなこの空間を支配した。 沈黙 静寂 そしてナウルがゲルムに問いただそうとした、瞬間。 空が明るいことに気付く。 『月が出たのか?』 ナウルは空を見た。 そして硬直する事になる。 空に……〈タウナ〉の真上の空には少し前までは足下にあった魔法陣が黒い光によって現われていた。 何十倍もの大きさをもってまるで自分たちを見下すかのように。
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