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ガタガタッ ザーザー
「ん…?こ…此処は…?」
ズキッ
「痛ぅ…っ。」
やけに後頭部が痛い。
それに、腕と足を縛られ床に倒れていた。
「何これ…。確かバイトに行く為に家を出たところで誰かに殴られて…」
ここは…どこかの部屋のようだ。
真っ暗な部屋を見回し、唯一ある窓を見つけ目を凝らすと外は既に暗く、窓には激しい雨が打ちつけられている。
「気付いたか?須堂 陸。」
「!?」
部屋の隅から聞こえた声に体をビクッと震わせ、須堂 陸と呼ばれた少年はとっさに声の聞こえた方へ振り返る。
「だ…誰っ!?」
「誰…?…二年前にお前の兄貴に両親を殺された真山響夜だよ。」
「!?」
一年前の事故の記憶が蘇り、その冷たい声に陸は恐怖感を感じ、反射的に後ずさった。
「な…なんで…」
「俺の両親はお前の兄貴に殺された。」
響夜は陸の声を遮るように静かに、しかし凍りつくような声で話し出す。
「お前の兄貴は犯罪者だ。でも…生きてる。俺の親はもう帰って来ない。」
「あ…あれは…」
「うるさいっ!!」
響夜は声を荒げ近付いてきた。
グイッ
「ぐぅっっ」
陸は首を絞められ苦悶の表情を浮かべる。
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