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「…奥様に会われるのですか?」 「勿論。…反対ですか?」 「…あなたが傷付くかも 知れません。」 高槻さんの言葉に血圧があがる。 「だって!酷いでしょう? 人を物みたいに…っ! …ごめん、涼。」 「大、丈夫。 だから、泣か…ないで? …ありがとう。」 頭を撫でられる。 涙が止まらない。 『…母親、が「一年分の仕事を ニ週間でやったら交際を 認める」…って言う、から。』 『終わらせたの?』 『…うん。そしたらあの人… 「遊びの交際、ならね。」って。 …また、騙され、た。』 悔しそうに言う涼は。 母親に裏切られた涼は。 泣くかと思うくらい。 消えるかと思うくらい。 ただ、儚くて。 「私…絶対に涼を奪って みせますから!」 意気込む私の言葉に涼と 高槻さんは目をあわせ、苦笑い していた。 .
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