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「おぉ…。」
これが、大豪邸、というものか。
私はただただ広さに呆然とする。
「…美智?」
「いや、よし行こう。」
実はちょっと気後れした。
涼はそんな私に気付いたのか
私の手を優しく握る。
「美智、俺を…貰って、くれる…
んで、しょ…?」
ほわり、と微笑む。
そういえば、涼、昔よりも
優しく笑うようになったな。
なんて突然思って。
この笑顔を無くしたくない。
「うん!
お嫁に来なさい!」
「…嫁?」
「大丈夫、まかせときな!」
涼の手を引き、大きな門を
くぐった。
「いま、何と言ったの…?」
綺麗な人。
でも冷酷そうな人。
目の前には涼のお母さん。
冷たい綺麗な瞳が私を見下ろす。
とてつもない威圧を感じた。
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