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「…ありがとう、美智。」 「んー私結局なんにもしてない ような気がする。」 笑うと涼は首を横にふる。 通帳とマンションの部屋の カードを涼は見る。 「…愛情を物、で表す、とか あの人らしい、な…。」 涼は嬉しそうに微笑む。 「『あの人』っていうの 止めなさい。 『お母さん』でしょ?」 「…お、母…さん。」 むず痒そうに涼は発音した。 「…一緒、に住む?」 涼は涼のお母さんが用意した マンションのカードを片手に 首を傾げながら聞いてくる。 「えっ!?」 「…嫌、だ?」 首を傾げる涼。 私は赤面しながら小さな声で 呟いた。 「ふつー…せめて高校を、 卒業したら、でしょ。」 ちらり、と涼をみる。 「…美智と、ずっと一緒。 嬉し、い…な。」 くらり、とする。 この子は…なんでこんなにも 可愛いんでしょうか…。 もう私はめろめろです。 .
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