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目の前にはやはりいつもより 豪華な食事。 涼はサクサクした唐揚げを 一つ口にいれる。 皆が涼を見て。 「おいしい、です。」 涼がにこりと微笑む。 「かっこいい!」 と叫ぶ母。 「どんどん食べなさい。」 と冷静な父。 「なーんで唐揚げ食べるだけで こんな、様になるのか…。」 と考える弟。 「騒がしくてごめんね?」 「…楽しい、よ。」 「なら、良かった。」 そしていつもの会話。 帰りぎわ。 「涼…今、一人暮らし、でしょ?」 「ん?うん。」 「明日から…お弁当、いる?」 涼は意味が分からないのか 首を傾げる。 「迷惑じゃなかったら…その… お弁当、作る、けど。」 恥ずかしい。 「…俺の、ため?」 頷けば。 「すごい、楽しみ…。」 稀にみる、満面の笑み。 呆然とするぐらい、綺麗。 .
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