08

18/22
前へ
/134ページ
次へ
「やっぱ…大きいなぁ。」 私の言葉に頷くのは結城くん だけ。 「…入る。」 チャイムを鳴らすと業務的な 声が聞こえ、門が開く。 大きな玄関が二人の男によって あけられて。 長い階段の上には。 「来るころだと思ったよ。」 不適に微笑む、涼のお父さん。 「結婚は白紙、今の恋人との 結婚。 認めていただきたい。」 「私も同じです。 …二人ともいるでしょ?」 リアさんが言うとどこからか 外国人の夫婦。 「リアはいつから聞き分けの ない子になったのかな?」 「…最初からですよ。」 家族の間に流れるのは。 冷たい風。 「…美智さん。別れて下さい、 って頼みましたよね?」 また。 笑っているのに、笑っていない 笑顔。 「了承は…していませんけど。」 私も笑顔で返した。 .
/134ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4527人が本棚に入れています
本棚に追加