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涼のお父さんはさすがに少し 驚いた顔をした。 そのあとしばらく思案すると。 にやり、と笑う。 「リアさんと結婚したら高槻を 佐久間家に戻してもいいぞ。」 「…美智は。」 「お互い恋人と過ごせばいい。 表向きの家族でいいのだよ。」 涼を見るとその拳は震えている。 「…あんたは、やっぱり… 最低な、人間だ。」 「褒め言葉として受け取るよ。」 「…断る。 美智と本当に一緒になる。 高槻は俺が建てた会社に雇う。」 ふっ、と鼻で笑う涼のお父さん。 「私の息子でないお前に一体 誰が金を貸すんだ。」 「…あんたの息子じゃなくなった 俺だから金を貸してくれた。」 涼がかばんの中から出したのは さっき高槻さんが涼に渡して いたもので。 会社の名前がびっしり書いて ある紙だった。 それを見た瞬間。 涼のお父さんの表情が変わった。 .
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