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「…どんな手を使った。」 「べつに。あんた、知らないかも しれないけど、俺、頭、いい。」 「俺の息子だから当たり前だ!」 にやり、と涼は笑う。 「父様、自分の呼び方が 『俺』になっていますけど? 焦ってるんですか?」 はっ、と涼のお父さんは 我にかえる。 「ば…馬鹿を言うな。」 リアさんの両親も不安そうで 困惑した顔をしている。 あぁ、この人達は。 子供は言いなりな人形でしか なかったんだ。 押さえ付け、縛り付け。 思い通りになる操り人形。 今、やっと糸を断ち切ったんだ。 「あなたの…あなたたちの 負けよ。」 後ろの玄関から現れたのは 涼のお母さん。 「…お前までそんなことをっ!」 「あなたは昔、とても素敵で 努力と汗で結果が出来ていた。 もう面影もないですけどね。」 涼のお母さんの言葉に涼の お父さんは呆然としたように 私達を見ていた。 .
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