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「あ…、あのね、涼くん。」
「…ん?」
「恋人は確かに彼氏が
送り迎えするのが役目なの。
でも徒歩か電車じゃないと
いけないの。」
この言葉、信じるかなぁ。
「…そうなのか、高槻?」
「そうですね。」
高槻さんはクスクス笑いながら
言う。
ありがとう、高槻さん!
「…分かった。
じゃあ…歩いていく。」
「涼くん、家、どこ?」
「…白滝町。
通り道、だから。」
「そっか…良かった。」
違う方向だったら悪いもんね。
「…あんたのこと。
なんて、呼べばいい…。」
「え?なんでもいいけど。」
「じゃあ、…美智。」
甘く低い声が車内に響け。
心地良い。
「うん…。」
なんか恥ずかしい。
顔が熱くなるのと学校に
着いたのとでは一緒だった。
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