09―END

2/5
前へ
/134ページ
次へ
「…お礼。」 「う…うん?」 よく晴れた日曜日。 真面目な顔して涼が我が家に やってきた。 あのあと。 涼はお父さんとお互いに相手に 一切の干渉をしないことで 和解したらしい。 高槻さんの解雇は取り消し。 涼が高校を卒業し、大学生、兼 社長とし会社を建てるらしい。 内容は…難しすぎて私には よくわからないけど。 などなど。 いろいろありすぎて、忘れてた。 この子は普通じゃなかった! 「お礼、…ねぇ?」 後ろの家族を見れば皆、呆然。 …ですよね。 家の前にはこの平凡な住宅街 には不釣り合いな高級車。 お礼って車?! 絶対おかしいよね?! 「こんな…高価なものは…。」 「受け、取って…くれな、いの?」 不安そうな仔犬の瞳で、じっ、と 見られれば。 …太刀打ち不可能です。 .
/134ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4527人が本棚に入れています
本棚に追加