09―END

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「ばか涼っ。」 「…ひどい。」 赤くなった顔を見られたく なくて横を向く。 涼はそんな私を見て、くすくす 笑っている。 でも…本当、よく笑うように なったな。 私のおかげだって、少しくらい 自惚れてもいい? これからも涼を笑顔にさせる のは私だ、って。 普通って、なんなんだろう。 誰が決めたの? 遠い昔の人? どこからが普通で、どこからが 普通じゃないの? 分からない、分からないけど。 「涼…また明日も一緒に学校 行こうね?」 「?…ん。」 君の笑顔も。 君の体温も。 繋いだ手も、心も。 いつも側にあることが普通に なるように。 長い時間をかけて普通に なるように。 その長い時間こそが大事で。 「涼…普通の恋愛はね。」 「ん?」 「…長い時間、永遠に、一緒に いなきゃいけないんだよ。」 嘘じゃないよ? だって、私の普通は、あなたと いることなんだから。 END
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