02

4/23

4527人が本棚に入れています
本棚に追加
/134ページ
車の扉が開いたと同時に 聞こえたのは。 われんばかりの叫び声。 もちろん涼くんへの。 そして私を見て、また叫び声。 『女ーっ?!』 「あらら…。 まぁ当たり前の反応か。」 困ったな、と頬をかく。 女子の皆さん…。 目から殺気が。 「行くよ。」 「…そうですか。」 よくこの空気の中、進めますね。 さすが涼さま。 「りょ…涼様!」 一歩踏みだした女の子。 涼くんはちらり、と見たがまた 歩きだそうとする。 「……無視は嫌いだなぁ。」 ぼそり。 涼くんは私を見ると少し 拗ねたような顔をしてその 女の子を見る。 「……なに。」 「あの、その! その女、なんなんですか!」 「…彼女。」 それだけ言うとスタスタと 歩いていってしまう。 「私!私たち! そんなの認めません!」 後ろで女の子が叫んだ。 .
/134ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4527人が本棚に入れています
本棚に追加