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「涼くん、どこまで来るの?」
「…美智、の教室。」
「えっ?わざわざ良いよ?」
そう言うと涼くんは首をふり
階段をあがる。
「ちゃんと…最後まで送る。
…彼氏の、役目、だから。」
「……うん。ありがとう。」
やっぱりそんなこと言われたら
嬉しくて。
廊下を歩くと集まる視線を
振り切りながら教室まで一緒に
行った。
「あ、美智、おはよぉー!
…って、佐久間 涼っ?!」
また朝からハイテンションな
梓が涼くんを指差す。
「あ?
なんで佐久間が…。」
慎也が涼くんを見る。
どこか不機嫌そうに。
「えー、彼氏だもん。」
ね?と涼くんに笑いかければ
涼くんは瞳だけ優しくなる。
「ふーん…彼氏、ねぇ。」
「慎也?」
「佐久間さまがねぇ。」
なんか険悪な雰囲気…?
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