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―美智Side
涼くんの広い背中を見ながら
ため息をつく｡
なぜって？
そりゃあ…｡
｢何であんたなんかが涼様と…｣
ボソリと聞こえる声｡
女子の皆さんの視線が､ねぇ｡
またため息をつく｡
｢気にしなくていーよ！
あんなヒガミ連中｡｣
梓はわざと少し大きめな声で
言う｡
｢俺も彼女にすんならあっちより
美智の方がいーけど｡
なんなら付き合っちゃう？｣
ニヤリと笑う慎也｡
｢あはは､ありがとう｡｣
ありがとう｡
二人とも大好きな親友だよ｡
｢あ｡先生きたよ！
席に戻りましょー｡｣
｢うん｡｣
梓の言葉に私と慎也は頷く｡
｢さっきの言葉…
案外真剣なんだけどなぁ｡｣
普段､見たこともないような
悲しい顔をしながら笑みを
浮かべている慎也なんて｡
私は知らなかった｡
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