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初めまして。 松原 美智です。 春になりました。 私は無事、進級し高校二年生。 それと同時に後輩も出来た。 ところで。 その一年生の中で『普通』の 枠を遥かに超えた方がいます。 その名は。 『きゃあー!涼さまぁ!』 本名、佐久間 涼くん。 家は名家。 才色兼美。 まさに完璧な男の子。 私は窓際の自分の席から 登校なさった佐久間くんを見る。 「今日も見事な無視っぷりー。」 喋るのは必要最低限。 今日も朝のお迎え隊に見向きも せずにベンツの車から真っ直ぐ 校舎へ。 女子の黄色い悲鳴は鳴り止む ことを知らない。 そんな状況のまま一ヶ月が 経とうとしている。 もちろん『普通枠』を直進の 私と佐久間くんが関わる機会 などあるはずもないのだ。 .
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