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可愛い。 学校一、カッコイイ男の子に 言う言葉じゃないだろうけど。 可愛い。 頭を撫でていたら、涼くんは どうやら寝てしまったらしい。 肩にもたれかかってくる。 規則的な呼吸。 閉じられた瞳。 初めて見る、幼い表情。 どうしようかな、と思いつつも 私は涼くんを観察していた。 やっぱり、綺麗。 長いまつげ。 通った鼻。 薄い唇。 「…羨ましいー。」 そのくらい綺麗。 じーっと見ているとおもむろに 涼くんの目が開いた。 「ん…なに? あれ?…俺、寝てた?」 「綺麗だなぁ、と。 うん、少しの間だけど。」 「…そっか。ごめん。」 「別に大丈夫だよ。 でもそろそろ教室、帰ろ。」 こくり、と涼くんは頷く。 屋上の外で待ち伏せしてたで あろう涼ファンクラブの方々が 精一杯私を睨み付け、涼くんに 笑顔で差し入れをしていた。 .
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