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校門を出たあたりで。 「…涼くん。」 「……ん?」 「手。」 手を出すと涼くんは首を傾げる。 「え…っと。手、繋がない?」 恥ずかしいながらも言うが。 涼くんは無言で首を傾げる。 えぇ…。 「なんで手を繋ぐの?」 「えっ?えーと…。」 言われてみれば分からない。 うーん、と考えこむ。 「気持ちが通じるから、かな。」 「気持、ち?」 私は頷く。 ぎゅー、と涼くんの手を握る。 「ほら、温かいでしょ? 相手の体温が伝わる。 それが…なんていうか… 嬉しい、から…。」 言ってる最中で恥ずかしくて 俯いてしまう。 「…あたた、かい。」 涼くんの言葉に顔をあげれば。 心臓が跳ねる。 だって。 眩しそうに目を細め。 嬉しそうに笑いながら。 優しい瞳で私を見ていたから。 .
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