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そんなある朝。
いつもより学校につくのが
遅くなってしまった。
携帯で時間を見る。
あーあ、最悪だ。
佐久間くんと登校時間がかぶる。
自然に歩く足が速まる。
だってあのお祭り騒ぎに
巻き込まれたくない。
ちょうどお迎え隊の真ん中まで
きたところで。
ベンツの止まる音がした。
あがる悲鳴に耳を押さえる。
「あれ、美智じゃん。」
ポンと肩を叩かれ後ろを向くと。
「あ…慎也(シンヤ)。この騒ぎの中、
よく平気だねー…。」
クラスの男子の中で一番
仲が良い、川本 慎也。
チャラそうだが、いい奴だ。
「慣れだよ、慣れ。
おっ、ちょーど真横を通るぞ。」
お迎え隊の向こうをチラリと
見ると。
……あれ?気のせい、だよね?
目が合った気がした。
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