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道を歩いていると。 車がすぐ横を通った。 私は涼くんの腕の中。 「…危ない。」 「あ、…ごめん。」 「やっぱり… 車のほうが、安全…だ。」 「だ…大丈夫だよ。」 広い胸に。 力強い腕に。 ドキドキする。 「…また。 人前で、抱きしめ…ちゃった。」 離れようとする涼くんを 抱きしめる。 「美、智?」 「今は…人、いないから。」 ぎゅーと力をいれると涼くんは 瞳を優しくする。 あぁ。 駄目だよ、早過ぎる。 好きになるには、早過ぎる。 まだ。 まだ愛されているだけでいたい。 そのほうが楽だから。 なんて。 そんな私はきっと。 我が儘で本当に嫌な奴だ。 私は涼くんに家まで送って もらった。 手を繋ぎながら。 .
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