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―美智Side
「でー…と?」
私の言葉に涼くんは頷く。
今日もいつも通り、学校。
屋上でお昼を二人で食べている。
そして突然。
「デート…する。」
涼くんがぽつり、と言った。
「…結城が。
そろそろ、デートだ…って。」
「ゆ…結城くんか。」
他になにか嘘なことを教えて
いないか不安だ。
「…だめ、なの?」
ちらり、と見られて。
可愛い。
「いいよ。どこ行くの?」
私の返事に涼くんは少し
嬉しそうな表情をする。
「…考えて、おく。」
「うん、頼みました。」
にこり、と笑うと涼くんはまた
頷いた。
涼くんは表情にあまり出さない。
でも微妙な変化がある。
他の人じゃ気づかない程の
それを分かることが出来るのが。
なんだか嬉しい今日この頃。
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