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初めのハプニングは涼くんが 切符の買い方が分からなかった こと。 カード入れようとしたよ! この子! 「…なんで、こんなに…混む。」 電車に乗ると涼くんはぼそり、と 不機嫌そうに漏らす。 「まぁまぁ。 あと少しだか…きゃ!」 がたん、と大きく揺れて 倒れかけたところを涼くんに 引き寄せられる。 「美智…危ない。」 「ご…ごめん。」 涼くんは私を窓際に押しやる。 窓に手をついて少しの空間を あけてくれた。 「…あ、りがとう。」 涼くんは頷いた。 新鮮な空気を吸い込む。 涼くんは初めての電車に少し 疲れたようだ。 「大丈夫?」 「ん…美智、は?」 「涼くんのおかけで平気。」 良かった、と涼くんは言う。 また手を繋ぐ。 なんだか。 愛されてる、って思うのは 自惚れなのだろうか。 .
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