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「わぁ…遊園地だ!」 そこは大きな遊園地。 久しぶりだ。 「…本当は、貸し切り…に しようと、…思ったけど。」 結城がそれは止めろ、って 言うから…と言う涼くん。 うん。 ありがとう、結城くん。 「ほら…なんていうか。 人がいっぱいいた方が私は 楽しくて好きだなー、って。」 「…美智が楽しい、なら、良い。」 「私は涼くんも楽しくなくちゃ 嫌だな。」 涼くんの僅かに驚いた顔。 そしてまた僅かに嬉しそうな 顔をするのだった。 「なにから乗る?」 「…分からない。」 「え?」 「…遊園地、来たこと…ない。」 涼くんの言葉に驚いて涼くんを 見ると。 「…普通じゃない、んでしょ? でも…跡取りとして…別に 必要、ないから…って。」 少し悲しそうで。 涼くんにそんな顔をさせる 涼くんの親に。 私は微かな怒りを覚えた。 .
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