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「…じゃあ!
やっぱりジェットコースター
から乗ろうか!」
腕を引っ張る。
涼くんは頷いてついてくる。
「…なに、これ。」
並ぶ人の多さを見ながら半ば
呆然と涼くんは言った。
「…すぐ乗れるように、言」
「ちょ…待って待って。」
係員に言いに行こうとする
涼くんの服をつかむ。
「…だって、時間…潰れる。」
拗ねたように言う涼くんは
可愛くて。
「こうやって待ち時間に話すのも
私は好きだけどな。」
「…話、す?」
「うん。涼くんのこともっと
知りたいし、知れるから。
たくさん話したいなぁ、なんて。」
最近の自分はクサイことを
言ってばかりだ。
ちらり、と涼くんを見れば。
「…美智が、そう、言うなら。
俺も…美智のこと、知りたい。」
真っ直ぐ見つめられながら
言われれば。
私の体温は上昇するばかりだ。
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