03

10/13

4527人が本棚に入れています
本棚に追加
/134ページ
そのあとも、いろいろして。 夕方。 観覧車のネオンが輝く。 「…乗る。」 「私も乗りたかった!」 涼くんと二人で観覧車に乗る。 どんどんと高くなる。 そして。 「きれー。」 「…美智。」 「ん?」 呼ばれて振り返れば。 腕をひかれ、強く抱きしめられ 間近で見た涼くんの顔はとても 綺麗で。 「…美智が、好き、だ。」 低く掠れた甘い声が二人の 空間に優しく響き。 「涼く…」 私の言葉を吸い取るように 少し震えた唇で、キスをされた。 「涼くん…な、なんで。」 「……嫌だった?」 「嫌じゃない、けど…。」 むしろ嬉しい。 涼くんは良かった、と少し笑う。 その表情は、ずるい。 「美智…好き。」 また言われたその言葉に。 また心臓が跳ねて。 「私、も…。」 思わずそう答えていた。 .
/134ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4527人が本棚に入れています
本棚に追加