04

3/13

4527人が本棚に入れています
本棚に追加
/134ページ
「…慎、也?」 「ばっか…。 美智、本当に気付かなかった?」 「え…?」 梓はため息をつく。 「私の口からは言えないけど…。 追いかけな?」 「う…うん。」 チャイムが鳴るのも無視して 教室を出て捜す。 誰もいないはずの階段な陰で 話し声が聞こえた。 「…なんだよ。」 あ…慎也の声だ。 声をかけようとしたけど、 思わず隠れてしまった。 だって。 「…悪いけど、俺、涼を傷つける やつは許さないから。」 「へぇ?過保護だなぁ。」 「ふざけてんのかよ!」 ガンッと慎也が壁に押さえ付け られる。 押さえ付けているのは結城くん。 …なんで? 息を潜めて、様子をみる。 「あんたみたいな奴に敬語は 必要ないな。 なぁ、あんた涼に何言った。」 結城くんの初めて聞く怒った声。 一瞬静まった中、慎也の鼻で 笑うような声が響いた。 .
/134ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4527人が本棚に入れています
本棚に追加