01

5/10

4527人が本棚に入れています
本棚に追加
/134ページ
「いや…今の告白からして 少し不満なんだけど…。」 普通、告白ってもうちょっと ロマンチックというか。 そう言うと佐久間くんは一瞬 困ったような顔をした。 「告白ってどういうのが 普通なの?」 「…え?」 「…俺…分からない。」 普通が分からない? 思わずそう言ってしまいそうに なったときチャイムが鳴り それは遮られた。 「…また後で。」 そうポツリと言い残すと 佐久間くんは校舎へと入る。 私は慎也の呼ぶ声でやっと 私は教室へ歩きはじめた。 「みーさーと! さっきの何だったの? 窓から見えたんだけど!」 教室に入った瞬間、聞こえた ハイテンションな声。 親友の多田 梓(タダ アズサ)。 「…分かんない。」 「告白でしょ?! なんて返事したの?」 「……分かんない。」 梓は分かんないだらけだなぁ、と 笑っていた。 .
/134ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4527人が本棚に入れています
本棚に追加