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「なに言ったっけなぁ? あー…美智はお前のこと 好きじゃないとか、その愛は 偽物だ、とかいつか必ず終わる、 とか。」 「てめ…。」 「佐久間のあのショックうけた 顔とか笑えた。」 慎也って…こんな奴だった? 涼くんになんでそんなこと。 酷い。 涼くんは両親のことでただで さえ『愛』を信じられないのに。 酷い。 ふつふつと湧く、怒り。 「なぁ…あんた最低だな。」 「そーだよ。 分かったならその手を離せ。」 結城くんは悔しそうに慎也から 手を離す。 また廊下を歩き出した慎也。 後ろから追いかけ、その腕を とった。 「…美智?」 慎也は驚いたように目を見開く。 その頬を力いっぱい叩いた。 パァンと静かに響く破裂音。 「…許さない。 涼くんを傷つけるのは。」 私の小さな声は大きく響いた。 .
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